性犯罪者情報が
国民に共有されているアメリカ

 有効な性犯罪対策がほとんどなされていない日本だが、諸澤氏によれば、まず日本が最初に行なうべき性犯罪者対策として、「犯罪者登録法」をつくるべきだと語る。

「現状、日本の警察、検察、裁判所、刑務所は犯罪者情報をバラバラに持っていて、それらはつながっていません。このようなことは先進国では通常ありえません。私が考える『犯罪者登録法』とは、欧米がやっているように、少なくとも暴力的な性犯罪を行なった者はデータベース化し、一人ずつにコード番号を付けて、出所後も追跡できるようにする法律のことです。そこで人権を理由に反対意見が出てきますが、対象者のプライバシーを守りつつ運用するということをしっかり国会で議論すればいいのです」

 しかし、国によっては、犯罪者のプライバシーよりも、国民の「知る権利」を重視しているところもある。

 1994年、アメリカのニュージャージー州で施行された性犯罪者情報公開法は、被害者女児の名前が由来となり、「ミーガン法」という通称で知られている。その後、ほかの州でも「ミーガン法」が制定されていった。州によって内容は異なるものの、性犯罪者の帰往先(出所後に住む場所)近辺の地域住民や学校に情報提供したり、指名手配犯のように顔写真が載ったポスターが店や電柱に貼られていたりする州もあるという。

 近年は、犯罪者のデータベースをインターネット上で公開することを義務づける法律もできたといい、世界中誰でも閲覧できてしまう状況になった。

 そのため、例えばアメリカでは性犯罪歴のある人を教員として採用してしまった場合、生徒の親から「ちゃんとチェックすれば防げたのではないか」と学校側が訴えられるケースが増えていると、諸澤氏は言う。

 それほど、アメリカは性犯罪対策を厳重に行なっているといえるのだ。