スバルが4月、国交省に提出した燃費・排出ガス測定に関する調査報告書にも、それをうかがわせる記述がある。
「班長以下から成る燃費・排出ガス測定の現場においては、同じ処遇の者が同じ職務を行っている一体感と相まって、閉鎖的な集団を形成することになった」
「測定業務に際し問題が生じた場合であっても、上司に相談することはせず、現場のことは現場で解決しようという傾向が助長された」
不正を起こした品質監査課の現場が「閉鎖的な集団」を形成し、「現場のことは現場で解決」する傾向を強めたのは、人手不足も要因として考えられる。
検査員の数は少なく、シフトによっては2人しかいないこともあった。だが業務は時間内に終わらせなければならない。測定値に異常が出れば上司への説明が求められるが、原因を調べる余裕もない。そのため先輩から教わった通りに書き換えを行い、専門外の人間は誰もそれを知らなかった。