そんな時は、必ずといっていいほど、別の件で不快な出来事があり、欲求不満が生じている。そのストレスから他人のちょっとした言動を引き金に、攻撃行動に走ってしまう。

 トランプ的な手法が効果を発揮するのは、攻撃的になることでストレスを発散する機会を狙っているからである。

 そこに攻撃的な指導者が出てくると、それに便乗する形でストレスを発散することができ、気分がスッキリする。いわばカタルシス効果心の浄化作用ともいう)が働く。

【その2】同一視により、自分に力を感じられる

 なかなか思い通りにならない人生に苛立ち、いくらもがいてもそんな状況を好転させられない自分に無力感を募らせる。

 そんな人の目には、強権を発動し、物事を思うがままに動かしていく人が魅力的に映る。そしてこんな憧れのような気持ちを抱くだろう。

「自分も、あんなふうに力を発揮してみたい」

 そこには強権を発動し、威勢の良いことを口にして、物事を強引に動かしていく指導者に自分を重ね合わせる同一視という心理メカニズムが働いている。それによって、無力な現実の自分を忘れ、自己高揚的な気分に浸ることができる。

【その3】心に余裕がなく、認知的複雑性が低下している

 心に余裕がないと、物事には良い面もあれば、悪い面もある、といった複眼的な見方ができなくなる。いわゆる認知的複雑性が低下する。

 認知的複雑性が低下すると、何でも白黒をハッキリさせようとするため、敵か味方かといった短絡的な見方をすることになる。

 そんな心理状態にあると、敵対勢力をこき下ろす感情的な言葉に煽られ、「自分たちが正しく、向こうが悪である」という構図を信じ込んでしまう。

 そこには、そうした敵あるいはライバルを想定することで、集団としてのまとまりが強固なものになるといった心理メカニズムも働いている。