(2)チェストトラスト法

 四つ足で踏ん張っているペットに対して、両手を大きく広げて胸の両サイドから同時に強く吐き出そうとする方向へ圧迫して、気道異物を除去する方法です。ペットが吐き出そうとするタイミングに合わせると効果的といわれています。

 ○実施ポイント

・猫、小型犬には効果的ですが、中型犬以上は背部叩打法かハイムリック法を勧めています。
・目安として肋骨5番から7番を両サイドから両手の平を大きく広げて肘を横に立てて、挟むように同時に圧迫します。

 (3)腹部突き上げ法

 反応のあるペットに対して、拳を上腹部に当て、斜め上方に圧迫して、体内圧を高めて気道異物を除去する方法です。ペットが吐き出そうとするタイミングに合わせると効果的です。ただし、一般的に小型犬には行いません。また、妊娠している未成熟のペットには背部叩打法かチェストトラスト方を実施します。

 効果的な要領は、ペットの背後から両方の手を脇から通し、片方の手で握り拳を作り、ペットの上腹部(へそとみぞおちの中間部)に当てます。このとき握り拳が剣状突起や肋骨に当たらないように注意が必要です。

 異物が除去できた場合でも、内臓損傷を疑って獣医に連れて行くよう飼い主に勧めることが大切です。

○実施ポイント
・ペットの後ろから密着して行います。
・犬の肋骨は13本あります。

5、猫・小動物・小型犬・犬の赤ちゃんに対する気道異物除去

 腹部突き上げ法以外の背部叩打法とチェストトラスト法を行うこともできますが、体のサイズに応じて叩く力や圧迫する力を加減することを忘れないでください。

 ○実施ポイント

・ペットの咳き込むタイミングをよく観察してください。
・気道内異物除去のタイミングが遅いと窒息して、意識を失ってしまいます。

気道異物除去中に反応がなくなったペットに対する救命処置

・心肺蘇生法をためらうことなく迅速に行い、飼い主の掛かりつけの獣医への通報や緊急対応ができる獣医への搬送手配を行います。
・心肺蘇生法中に気道異物が出てきた場合は、指等で取り除きます。
・口の中に異物が見えない場合は、指を突っ込んで無理に探さない。異物を奥に押しやってしまわないように気をつけてください。

 ○実施ポイント

・ペット用酸素マスクがあれば、ペットに合うサイズのマスクをアンビューバッグに取り付け、酸素供給ホースを接続して酸素吸入を行いながら、心肺蘇生法を継続します。
・獣医到着後、獣医による投薬を行いながら心肺蘇生法を継続する場合もあります。