トップに必要な能力とは
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 10月、経団連の中西宏明会長が執務室でパソコンを使ったことがニュースになった。歴代会長でそのようなことがなかったため、職員が驚いたとの記事が発端だ。続けて、新内閣の五輪およびサイバーセキュリティ担当相に任命された桜田義孝大臣の「PCは使ったことがない」発言が世界中に発信され、これも議論となった。

 もちろんそれぞれに理由はあるだろうし、PC操作ができる、できないで本人の管理能力や人間性が決まるものではない。実害のある失敗や問題発言をしたわけでもないので、外野がとやかくいう筋合いのものでもないことはわかる。

 その一方で、産業界からの要望もあり、大学でWordやExcelを習わせ、金にならない研究よりも学生に資格をとらせろとし、政府はSociety5.0で、ビッグデータだAIだと予算目当ての題目を唱えている。どの口が「PCなど使わないでOK」と言えるのか、という意見も一理ある。

 本質ではないという反論を承知で、あえて、組織のトップ、経営者やマネジメント層とPCをはじめとする専門スキルについて考えてみる。

日本の経済界トップのビジネスセンスを疑う

 まず、あらためて中西会長と桜田大臣の事例のポイントを整理する。

 中西宏明経団連会長は、そもそも東京大学工学部卒、スタンフォードでコンピュータエンジニアリング学の修士号を取得している。日立ではサーバーシステムやストレージなどIT畑の最前線を渡ってきた人材だ。むしろ、執務室でPCを使うのは当然であり、メモやペンを使うのと同等なレベルだろう。