仮想通貨に吹き付ける寒風

 金融庁は登録業者や登録審査を受ける業者に対して「実効性のある経営管理体制」が築かれているのか、幅広い視点でチェックしているが、それができていれば今回のような事態は招かなかったのではないだろうか。

 フィスコ側はあくまでもイベントを「中止」ではなく「延期」したに過ぎない。次回の時期は未定だが、延期告知のメールでも「より公平な方法」で実現できるように「改めて企画させて頂く」としている。フィスコの担当者も「次回は都内だけでなく、もともとテックビューロの本社所在地でもある大阪でほぼ同時期に開催するなど、色々と展開の方法を考えていきたい」とやる気を見せる。

 ただ、SNS炎上を招いた今回のような事態を招いた後、再び「盛大なイベントを開きます」と仕切り直しても、利用者には丁寧な説明などを行わなければ受け入れてもらえないだろう。

 仮想通貨の相場に目を向ければ、イベント延期を決定後の日本時間11月16日、「ビットコインキャッシュ」のハードフォーク(仕様変更)が行われてから幅広い仮想通貨の相場が急落。足元ではやや底打ちの兆しも見せるものの、時価総額が最大であるビットコインの価格を見ても1年前の数分の一以下の水準に沈んでいる。

 仮想通貨の大元の技術であるブロックチェーン(分散型台帳)の有用性や将来性は誰もが一目置くところだが、開発者の分裂や規制強化への懸念など、最近の仮想通貨をめぐっては明るい材料に乏しいのが現状だ。今回のイベント延期を巡る騒動は、そんな寒風が吹き付ける業界の雰囲気を象徴するような出来事に映る。