「朝夜メール」は管理のためのツールではない

 ここで注意していただきたいのは、「朝夜メール」は決して"管理のためのツール”ではないということです。

 もちろん、マネジャーが「朝夜メール」でそれぞれのメンバーの「働き方」を見て、必要であれば、個別にフィードバックすることによって改善をうながすのは大切な仕事です。

 あるいは、「朝夜メール」によって、業務分担が偏りすぎていることがわかったり、メンバー間の協力体制の弱さを認識したときには、マネジャーとして何らかの手立てを講じる必要があるでしょう。

 しかし、あくまで、「朝夜メール」は、メンバーをサポートしたり、育成したりするためのツールだということを忘れてはなりません。決して、メンバーの「働き方」を監視して、マイクロマネジメントをするためのツールではありません。そのような使い方をすれば、メンバーは強い反発を感じて、「朝夜メール」に真剣に取り組んでもらえなくなってしまうでしょう。

 ですから、「朝夜メール」の実施をメンバーに呼びかけるときは、「これは、管理ツールではありません。自分も含めて、全員が成長するためのツールです」と強調することをおすすめします。

 そして、「仕事は思っているようには進まないものだから、『朝メール』どおりに働けなくても構いません。マネジャーとして、なんらかのフィードバックをすることはあっても、そのことを咎めるようなことは絶対にありません」などと明確に伝えるといいでしょう。