「朝夜メール」でチームの課題が浮き彫りになる
次に、「朝夜メール」の第二のメリットについてご説明しましょう。
第二のメリットは、「チームの課題を明確にして、具体的な解決策をディスカッションできるようになること」でした。
チーム全体で「働き方改革」を進めていくうえでは、こちらのほうがより重要と言えます。
「チームのありたい姿」のなかに、「作業の標準化や会議の質を上げるなどで無駄な時間をそぎ落とす」という文言を盛り込んだとしても、「では、具体的にどうするか?」と問われれば、あるメンバーは「定例会議を短くしたほうがいい」と言い、あるメンバーは「クライアントとの会議が多すぎる」と主張するかもしれません。そして、どちらのほうがより優先順位が高いのか、誰にも判断がつきません。どうしても、明確な根拠のないフワフワとした議論になってしまうのです。
そこで力を発揮するのが「朝夜メール」です。一定期間にわたって、全メンバーが記録した「朝夜メール」を集計・分析すれば、チーム全体で「どの仕事に時間を取られているか?」「どの会議に時間を取られているか?」が一目瞭然になります。
たとえば、下図のような集計結果が出たとすれば、「社外会議より社内会議に多くの時間が取られている」ことが明確になります。そこで、「まず、社内会議の適正化」について検討を進めようという意思決定を行うことができるわけです。
このように、客観的データを共有することで、はじめて「カエル会議」で建設的な議論をすることができるのです。つまり、「朝夜メール」がなければ、勘に頼った「働き方改革」になってしまい、きわめて非効率的な試行錯誤を余儀なくされるということです。このことをメンバーが理解できれば、「朝夜メール」に積極的に取り組むようになるでしょう。