「場外乱闘」ばかりが注目される
M-1グランプリ審査基準の教訓

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 今年も漫才師日本一を決めるM-1グランプリの審査が物議を醸しました。国民的な注目番組で、漫才コンビの頂点に立つ実力を持つ10組がグランプリを競うイベントなので、毎年審査員の審査結果について、あれこれと外野の意見が出るのは仕方のないことかもしれません。

 今年もそのことが話題になりました。とりわけ注目されたのは終了後の「場外バトル」でしたが、これは業界内の社会的制裁も済んでいるということで、ビジネスコラムとしては深くとりあげないことにしたいと思います。

 さて、この審査についての議論から、会社の人事評価についての基本的な考え方やスキルをわかりやすく学ぶことができます。そろそろ騒動の方も落ち着いてきた頃だと思いますので、今回はそれについて述べたいと思います。

 会社員の人事考課には、大きく分けて2つの評価方法があります。それが「業績評価」と「能力評価」です。M-1グランプリの場合、番組の看板として大きく掲げられているのは「おれたちがいちばんおもしろい!」というキャッチフレーズです。

 言い換えれば、この番組では、「ライブで演じた10組の漫才の中で一番面白かった」「その場をどっかんどっかん一番笑わせた」という結果に対して、グランプリが与えられるということです。これをストレートに受け取った場合、審査員の評価方式は人事評価で言う「基準は業績評価になっていますよ」という意味になります。

 逆に、「漫才師として漫才が上手いかどうか」を審査基準として評価するのが能力評価です。能力評価では、その場が湧いたかどうか以上に、プロとしての技術がきちんとあるかどうかが問われるという意味です。