以前から、慢性炎症は生活習慣病や一部のがん、アルツハイマー型認知症を引き起こす可能性が指摘されており、炎症を誘発する栄養素の摂取が少ない人の方が、心疾患や大腸がん、うつ病リスクが低いことが知られている。

 食物の「炎症能」は、食物炎症指数(DII)で示される。

 2014年に米サウス・カロライナ大学の研究チームが考案したもので、身体の炎症度を反映する炎症バイオマーカーの数値から、45の栄養素および食物の炎症能をスコア化したのだ。

 指数がマイナスなら「抗炎症作用=健康に良い」栄養素(食物)であり、プラスなら「炎症促進=健康に悪い」を意味する。

 DIIが低い抗炎症栄養素は、ビタミン/ミネラル群のほか、オメガ3脂肪酸、多価不飽和脂肪酸など納得の栄養素が並ぶ。特に、ビタミンDと食物繊維は抗炎症能が高い。

 香辛料や生姜、タマネギといった香味野菜、緑茶やハーブに含まれるポリフェノールも優等生だ。

 一方、これまでも悪者扱いだった炭水化物、コレステロール、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸はDIIが高かった。また、栄養素ではないが「カロリー」も炎症促進に働くことが示されている。

 結局、あまたあるダイエット法の違いは「慢性炎症」に対するアプローチの違いなのだろう。

 根が同じなら「続くダイエットが、良いダイエット」である。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)