冠詞「a」は
どのような働きをするのか

 では、冠詞のaとはどのような働きをするのでしょうか?

 ネイティブからすると、冠詞のaには「いろいろあるもののうちの1つ」というニュアンスがあります。特に「これ」と指定せず、「どれでもいい1つ」というイメージです。

 そのため先ほどの1の文は、「明子は(世の中にネコはたくさんいるけれども、その中の)1匹のネコを飼っている」という意味になります。

 つまりa catは特に決まったネコ(例えばタマとか)を指しているのではなく、「まあ1匹、ネコを飼ってるんだよ」と、限定しない一般的なネコを指すのです。このaのニュアンスを覚えておいてください。

冠詞「the」は
「a」と意味がどう違うか?

 ここでもう1つの冠詞、theを取り上げましょう。次の文を日本語に訳すと、それぞれどうなるかおわかりですか?

1.Bring me a cat.
2.Bring me the cat.

 ネイティブは上記の文をこう解釈します。

1.(世の中にたくさんいるネコの中から、どれでもいいから)ネコを1匹連れてきて。
2.そのネコを連れてきて(ほら、そこの茶色いネコだよ)。

 1のa catが「いろいろある中から1匹のネコ」だというのは、これまでの説明でわかりますよね?

 では、なぜ2のthe catが「そのネコを連れてきて(ほら、そこの茶色いネコだよ;実際は茶色でなくても白でも黒でもOK)」となるかというと、冠詞のtheは会話している者同士が、お互いに「あのネコのこと」とわかる「限定されたもの」を指す時に使うからです。

「世界中にいるネコの中からどれでもいいのを連れてきて」ならa catですが、「世界中でただ1匹そのネコを連れてきて」と具体的に限定するならthe catなのです。

 野良猫がウジャウジャいる状況でBring me a cat.と言われたら、「たくさんいる野良猫の中からどれでもいい1匹」を連れていけばいいのです。

 でも、Bring me the cat.と言われたら、相手は明確に「あれあれ、あの茶色いネコ」のように限定しているので、「限定されたそのネコ」を連れて行かなければなりません。この、theならではの「限定感」をおわかりいただけましたか?

 他の例文も見てみましょう。次の例文を日本語にしてみてください。

1.I need to go to a library.
2.I need to go to the library.