もし仮に、「インフルエンザにかかっても女性は症状が軽く、男性だけが非常に重い」ということであれば、多くの女性は予防接種を受けず、女性の間でインフルエンザが流行し、運の悪い男性が女性から感染して苦しむことにもなりかねない。予防接種を受けた男性の中に、一定の割合で運悪く免疫が得られない人がいるという前提であるが。

 そうであれば、もしかするとインフルエンザの予防接種の義務化も検討されるかもしれないが、そのあたりはインフルエンザに罹患した場合の症状の重さ、免疫が得られない男性の比率などを総合的に判断して決められるのだろう。

義務化しないと
自分だけ受けない人が増加

 予防接種が厄介なのは、「自分以外の皆が受ければ風疹が流行しないから、自分は受ける必要がない」という面だ。これは、なぜ税金で自衛隊を作るのかという話と同じだ。

「皆で資金を出し合って自衛隊を作ろう」という相談は、なかなか成功しない。なぜなら、「自分は金を出さない」という人が出てくるからだ。各人にとっての理想は「自分以外の全員が資金を出し合って自衛隊を作ること」。それによって、自分は金を出さずに外国の侵略から守られるからだ。

 しかし、皆が同じことを考えて「自分は資金を出さないが、皆さんで資金を出し合って自衛隊を作ってくれたまえ」と言うようになれば、結局、自衛隊は作れなくなってしまう。だから、国が強制的に税金を徴収して自衛隊を作る必要があるのだ。

 風疹の予防接種も同様だ。自分以外が全員予防接種を受ければ、風疹は流行しなくなるので、自分は受ける必要がないのだが、皆が同じことを考えて予防接種を受けなくなってしまうと困るのだ。