あなたの会社に合った月次予算をどう作るか
具体的には、まず来年度1年間の予算を作ります。3月決算会社であれば、1月中旬くらいから準備して2ヵ月間かけて作り、4月1日からスタートです。大規模な会社になればなるほど全社ベースの調整に時間がかかるので、前年の年末から準備に入ります。
最初からある程度良い業績と言える会計(決算)になることを想定して、「こんな1年間の売上高にしたい」という目標売上高を決めます。この売上高を達成するためにはこのくらいの原価と経費をかければよい、そうすればこの程度の営業利益が稼げる…という具合に組み立てていきます。事業の種類や拠点数が多い場合には、それぞれの責任者である拠点長や部門長が責任を持って、経営者と目標数字を握りながら予算を立てます。
予算を立てるルートには、トップダウン型とボトムアップ型の2つがあります。
トップダウン型は、この程度の売上高・利益を出してほしいと経営者が命じた目標売上高・目標営業利益をベースにして予算作りがスタートします。
ボトムアップ型は各事業部門の責任者の意志、この程度の売上高・利益はなんとかやれそうだ、というラインからスタートします。
多くの場合、前者は大きな成長を目指すための数字になる傾向にありますが、文字どおり「上からの押しつけ」にならないようにすべきです。後者は「下からの積み上げ」のため、ほとんど成長しない保守的な低い数字になりがちです。
中小企業やオーナー企業はトップダウン型ですが、強くて成長する中堅企業・大企業は時間をかけてトップダウン型とボトムアップ型の両者を調整したあとに、経営者と部門責任者とのコミットメント(約束数字)が形成されます。