逆に「売れ筋商品が欠品していて機会損失が出ている」と判断したら、追加発注するか代替商品を仕入れます。その「大赤字になりそう」とか「機会損失が出そう」と判断し対策を立てるのが、予算管理の肝なのです。

 たとえば、売上高、売上総利益、売上高総利益率(粗利率)の実績値が予算や前期実績よりも低かったら、次のような手を打ち、試行錯誤します。

a.売れ筋商品やその関連商品(ついで買い商品を含む)の仕入れを増やす。
b.死に筋商品の仕入れをやめると同時に、在庫品を値引してただちに売り切る。
c.営業方法を変える…直接営業から代理店方式へ根本的に切り替える。
d.取扱商品を増やす…扱う専門商材を絞り込み(集中し)、それとは別に回転率が悪くても利益率の高い商品を仕入れる。
e.品切れ率を減らす…よく売れる商品の仕入方法(製造方法・リードタイム・決済方法)を見直す。
f.仕入ルートを変える…卸を通さず直接メーカーから、あるいは別ルートから仕入れる。
g.円高による為替差益の還元を仕入先に要求する…輸入原料を使用していると思われる仕入先メーカーと商品の単価低減(コストダウン)交渉をする。

 打ち手同士が矛盾することもありますが、何が成功するかはやってみなくては分かりません。まずはトライしてみてください。

 (本稿は『強い会社をつくる会計の教科書』安本隆晴著からの抜粋です)

 


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