株式市場Photo:AFP/アフロ
『週刊ダイヤモンド』12月29日・1月5日新年合併特大号の第一特集は「総予測 2019」。毎年恒例の超人気企画ですが、今年は、ありえないほどに大幅増強!なんと、40人の経営者がインタビューで登場します。さらに識者50人が株価や景気、為替、政治、文化を予測。また、週刊ダイヤモンド編集部の記者25人が金融、産業業界が、どう動くかも執筆しています。つまり、総勢115人が2019年を見通す、総合計272ページの豪華な一冊になっているのです!ここでは誌面の一部を紹介。バブル後30年間の日本の株式市場を振り返ります。

 サラリーマンや主婦、学生から事業会社まで──。株価が見る見るうちに上昇していった1980年代後半、「貯蓄から投資へ」のキャッチフレーズがいまだ実現しない昨今とは大違いで、多くの人々がバブルの熱狂に浮かれ、株式投資へ積極的に手を出していた。

 だが、日経平均株価は89年の大納会(年間の最終売買日)に3万8915円87銭の史上最高値を付けた後、90年に入ると一気に急降下。多くの個人投資家が痛手を受け、失敗経験から投資と距離を置く風潮が今に続いている。

 当時、バブル状態であったことは株価指標からも明白だったはずだ。何しろ、相場の割安・割高を見る上で参考となるPER(株価収益率)は15倍程度が目安とされるが、80年代後半のピーク時の日本企業では約60倍にも上り、明らかに過熱感が高まっていた。

 にもかかわらず、当時は株価を実質的な純資産で割った「Qレシオ」なる新理論を持ち出してまで株価水準が正当化されるなど冷静に考えれば不可思議なことがまかり通っていた。相場経験の長いある関係者は「株高を正当化する理論が現れたら要注意」と警告する。