「サムボ(同棲)婚」で
スウェーデンは出生率が回復

 出産は婚姻が前提、婚姻してから出産すべきいう考え方である。実はこれが、時代遅れで、「そのために少子化が止まらない」との指摘があり、かなりうなずかせる。世界を見渡すとその指摘に納得がいく。

 スウェーデンでは1988年に施行した「サムボ法」で、同棲者に婚姻の夫妻と同等の権利を与えている。サムボ(同棲)婚をしばらく続けてから法律婚となるケースが多い。個人の多様な選択肢を重視する考え方の表れである。

 サムボ婚による出産は婚外子である。その婚外子比率は全出生数の54%に達している。なんと一時、1.5にまで落ち込んだ合計特殊出生率は1.9まで回復した。

 日本の1.4とは雲泥の差である。やはり2.0に近付いたフランスでも、20年前の民法改正で「連帯市民協約(PACS)」ができて事実婚が広がった。婚外子比率は60%に近い。1970年にはわずか6%台だったが、その後、急速に高まった。

 両国だけではない。OECDの2014年調査で、欧州諸国の婚外子比率を見ると、アイスランドの66%をトップに、ブルガリアの59%、ノルウェーの55%、スウェーデンの54%、デンマークの52%といずれも50%を上回る。

 50%以下でも英国は47%、スペインは42%で、EU諸国の平均は40.5%である。低いといわれるドイツでも35%である。アメリカでも、60年代には5%台だったが、今では40%に上昇している。

 では、日本はどうか。驚くべき数値である。1桁、それもほんのわずかの2.3%ではないか。日本より少ないのは1.9%の韓国だけ。韓国は、今年の合計特殊出生率が史上初めて1.0を割り込む見通しだ。OECD加盟の32ヵ国で1.0を切った国はない。世界でも例のないスピードで少子化が進んでいる。教育費や住宅費が高く、家族形成に逡巡する若者が多いといわれる。