株価変動を大きくした3つの要因
金融政策の正常化、米政権の不透明感、FRBと市場の認識ギャップ

 今回、景況感の変化以上に株価が下振れている背景としては、第1に米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)が金融政策の正常化を進めている影響が考えられます。主要中央銀行のバランスシートの増減と株価の変動性には関係性があります。

 2008年の金融危機以降、世界の主要中央銀行がバランスシートを拡大して潤沢な資金を供給したことで、株価が下落してもすぐに買い戻しが入る環境となり、結果的に価格変動(ボラティリティ)が抑制されたと考えられます。

 しかし、FRBは2017年10月から債券の保有残高を削減させているほか、ECBも2018年末をもって債券保有残高の積み増しを停止しました。主要中央銀行のバランスシートが縮小に転じ、相場全体のボラティリティが高まることが予想される中で、株式などのリスク資産への資金配分を減らす動きが年末に向けて広がったことで、株価変動が大きくなったと考えられます。

 第2に、米国ではケリー大統領首席補佐官、マティス国防長官など、政府高官の辞任が相次いだほか、トランプ大統領が株式市場の下落に関してFRBを批判しました。これらを受けて、トランプ政権の外交・経済政策に対する不透明感が高まった点も、株式投資家のセンチメントを冷やしたと考えられます。

 第3の要因としてFRBと金融市場の認識ギャップが指摘されます。FRBは12月18、19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げが行われた一方、2019年の利上げ回数の見通しを2回に引き下げ、景気や金融市場に配慮しました。しかし、金融市場参加者の間では、先行きの利上げが示されたことや、バランスシートの縮小が続くことへの失望が多かった模様です。