人事は永井部長の処分に頭を悩ませた。就業規則に照らし合わせると、今回の行為は「懲戒解雇」が原則だ。とはいえ、今までの勤務態度や成績、反省の度合いに鑑みて、不正で得た金額分をすぐに返還することを条件に、降格処分にとどめた。

 イケメン部長が飲み会での不正請求をしていたことが明るみに出てしまい、事態を知った部内のメンバーも呆れてしまった。部長は結局、地方の関連会社に出向となった。会社での不正とFXでの大損の件で、妻とはその後離婚したようだ。

社内の飲み会は
経費で落とせるのか?

 ところで、社内の飲み会を会社の経費とすることは、はたして可能だろうか?その判断ポイントとして2つの基準がある。1つは「法律上」の判断基準で、もう1つは「会社ごと」の判断基準だ。

 通常は、法律上経費として認められる範囲内で会社ごとのルールを定めている。したがって、「会社ごと」の判断基準に則って適正に申請すれば経費とすることも可能だろう。ただ、「会社ごと」の判断基準は、会社によってまちまちである。

 社内のコミュニケーションの活性化を図るために大幅に認めているところもあるだろうし、その逆もあるだろう。経費のルールや使い方に会社の考え方の相違が出るともいえよう。

 本事例は悪質なケースだが、社内で飲み会をする際、幹事が自分の会費を他の人から上乗せして徴収したり、幹事無料のプランにもかかわらず、皆に伝えなかったためにトラブルになったりしたという話も聞く。そういったトラブルや不正防止のための仕組みづくりも重要だ。幹事を特定の人にやらせない、飲み会後に必ず会計報告をさせるなどルールを決めておくことも有効だ。せっかくの楽しい飲み会がトラブルにならないように気を付けてほしいと思う。

※本稿は実際の事例に基づいて構成していますが、プライバシー保護のため社名や個人名は全て仮名とし、一部に脚色を施しています。ご了承ください。