「好意の返報性」は、非常に普遍的な心理法則です。認知症になって理解力の低下した方にも、すべての人に効果があるのです。重要なのは、最初に「悪意」を引き下げて、「好意」を差し出すのは、自分でなければいけないということです。

 言うのは簡単ですが、これがとても難しい。なぜならば、すでに泥沼の関係になっているということは、「悪意」と「悪意」のキャッチボールをしている「悪意の返報性」にすっぽりとはまった状態です。その状態で、いきなり「好意」を投げるのは、相当の勇気と思い切りが必要となります。

 しかし、私の経験では、「好意の返報性」のアドバイスをお伝えし、それをきちんと実行された方は、すべて成功しています。あなたも、泥沼になってしまった人間関係を「好意の返報性」によって、簡単に覆すことが可能なのです。

コミュニケーション量を増やせば
「嫌い」は「好き」に転じる

「やり方はわかったけれど、やっぱりすでに険悪な人間関係を修復するのは難しい」

 ほとんどの人はそう思っているのではないでしょうか?

 すでに何ヵ月、あるいは何年もの間にでき上がった、心の溝や険悪な人間関係は、ちょっと好意を差し出したくらいでは修復できそうにありません。

 では、どうしたらよいのでしょうか?

 一番簡単なのは、コミュニケーションの量を増やすことです。

「嫌い」は「回避」につながります。

 扁桃体が「嫌い」のラベルを貼ると、「その人と会いたくない」「その人と話したくない」という感情を引き起こします。ですから、「嫌い」な人とは、コミュニケーション量が圧倒的に少なくなってしまいます。

 結果として、相手に対する情報量、相手に対して知っていることは、極端に少なくなります。その人が意外な長所を持っていたとしても、それを知り得なければ、「好き」に転じるきっかけも得られません。

 相手に対する情報を多く得ることができれば、知らなかった相手のよさに気づくことができ、相手に対する好意度はアップするかもしれません。

 あるいは、相手に自分を知ってもらうことで、相手の好意度が上がることもあるでしょう。そのためにも、まず「コミュニケーション量を増やす」ことが、非常に大切なのです。