働き方改革にモヤモヤを抱える人々の胸に希望を灯し、人事担当者には自社の実態にあった新しいアイデアをもたらすだろう。多岐に及ぶ残業発生要因を分析した中盤は、その豊富なデータも含めて、とくに刮目に値する内容である。例えば、職種ごとの残業発生要因を示した次の表をみてほしい。

 表の理解のため誤解を恐れずに一言ずつ補足すれば、「麻痺」は残業に幸福を感じる状態、「集中」は一部のできる人への仕事の集中、「感染」は職場内のヨコの伝染、「遺伝」は世代間などのタテの伝染、「残業代依存」は生活費に組み込みである。示唆に富んでいるので、詳しくは本書で確認してほしい。「感染」については、こんな衝撃的なデータもある。

 読後、私の本は付箋だらけになった。皆様にご紹介したい箇所ばかりだったからだ。本書と同時並行で、私はこの正月に『キングダム』という漫画を読んだ。秦の始皇帝が中国統一を果たす過程を描いた物語である。そのなかで古い世代の生き残りである廉頗将軍が、若い世代と対峙するシーンが深く印象に残った。