「問題」は現状と理想のギャップ。
「課題」はそのギャップを埋める方法

次に「課題」とは、「問題」を認識し、そのギャップを埋めるために必要なアクションや、ギャップを埋める施策のことです。

例えば、経済的な不安(ギャップ)を埋める方法として不動産投資をするとします。
そうすると、実際に不動産投資をする際に「課題」になるのは、融資の問題、物件選び、資金計画などです。
その課題を一つ一つ解決していくことで課題が解決され、問題が解消されていくのです。

まとめると、「問題」は現状と理想のギャップ。
そのギャップを埋めるためのアクションや施策が「課題」です。

営業としては、お客様の現状と理想をイメージさせて、そのギャップを自ら認識してもらったうえで、そのギャップを埋める方法として様々な課題を列挙します。

不動産投資にかぎったことではありません。よく営業の会話で、「顧客の課題解決をしよう!」という言葉が聴かれます。

しかし、いきなり「お客様の課題はここですね」と言っても、お客様は納得しません。
なぜならば、お客様自身が自分の現状と理想を把握していないので、そこに問題の重要性を感じない為、課題そのものを必要としていないからです。

要するに、いきなり「課題はここです!」と言われても、響かないのです。
これが、営業がいくらお客様に課題解決の提案をしてもダメな理由です。

「問題」とは何か?そして、それを解決するための「課題」とは何か?この定義を明確にするだけで、今まで売れなかったものがバンバン売れるようになります。
そこに気付いたからこそ、私自身も365日売上ゼロから翌年No.1になれたのです。
是非、あなたのアプローチも見直してみてください。

その気がないお客様にも<br />買わせてしまう上手な伝え方<br />羽田 徹(はだ とおる)
話し方コンサルタント・トップ講師プロデューサー・株式会社web-school.tv代表取締役
大学生の頃よりラジオDJを始め、1998年に大阪人気No.1のFM802主催の新人DJオーディションに合格。その後FM愛知や文化放送でラジオオDJとして10年間活動。番組降板により挫折し不動産投資会社の営業に転職。話し方を武器にさらに営業力を磨き、2年目にトップ営業になる。2008年にはその営業力が認められ倒産寸前だったロープライス眼鏡会社の取締役営業本部長に就任し、当時64店舗から110店舗への躍進を支える。またインターネットカフェ最大手にて社外取締役を歴任。2012年、ラジオDJとしての話し方の技術、営業力、組織マネジメント力、経営経験などを生かし、組織人事コンサルタント会社のリンクアンドモチベーションにてナビゲーター(研修講師)、ファシリテーターとして活動。大手企業からベンチャーまで年間100件以上登壇、延べ2万人以上の人たちと接する。研修講師の採用や育成の責任者も兼任。新人やマネジメント研修、エグゼクティブへのスピーチ・プレゼン指導、組織活性ワークショップ、働き方改革の為のロジカルシンキング講座などを得意とする。自身の経験から「学びでこの世界を豊かにする」を理念として活動中。著書に『ビジネスマンのためのスピーチ上手になれる本』(同文舘出版)がある。社会人のための「話し方動画教室オンライン」運営。