まず人と会うときは、お互いの価値観が合うところはどこなのか、探すようにしています。こちらが仲良くなりたいと思っているだけでは、相手に印象が残りません。狙った人とつながりたければ、テイク(もらう)ばかりでなく、ギブ(あげる)を心がける必要もあります。

 例えば、その人と会ったら面白いことが起こりそうな人の名前をあげて「よろしければ ご紹介しますよ」とメールをしたり、相手のことを徹底的に調べて、ビジネスのヒントになりそうな情報を提供したり。相手にとってメリットになりそうなことを、積極的にギブするのです。そうして、「自分と付き合うとこんなにいいことがあるよ」とわかってもらえたら、相手もこちらに返してくれることがあります。

 どんな基準でどんな人と会うのか、そこは人それぞれの価値観によります。例えば、仕事の付き合いとプライベートの付き合いは一見両立しないような気もしますが、自己啓発のために有益な友情関係もあると思うのです。自分のビジネスとは無関係でも、自分の話を親身になって聞いてくれ、おかしいと思うところを指摘してくれる誰かでもいいですし、疲れを癒やしてくれる誰かでもいい。そうして、仕事とプライベートのバランスをとり、人生のさまざまな領域において、自分のためになる関係性をつくっていくべきです。

 僕はというと、人間関係に求めているのは究極のところ、深い対話です。自分にとって刺激になり、ときには自分自身の生き方に変化が起こるような対話です。インサイトに優れた人は、想像もしなかった話をしてくれます。特に、知らない分野の人と会うときは、その分野のサイクル、トレンド、パターンを教えてもらうようにしています。ファッション分野がよい例です。

 ファッションは、常に新しいトレンドが生まれているように見えますが、実は似たようなファッションが繰り返し登場しながら進化しています。例えば、今は90年代風のファッションが人気ですが、以前も90年代ファッションが流行った時期があります。同じように、70年代ファッションも、80年代ファッションも、定期的に流行ります。その繰り返しが「サイクル」です。サイクルのなかでそのとき流行っているものが「トレンド」です。常にアンテナを立て、今多くの人が注目している対象をチェックしておく必要があります。「パターン」とは、いわばビジネスモデルのことです。