それでもこの会社の仕事が好きだから
この業界をわざわざ選んで、あるいは喜んで、参入する人がいるのだろうか。
でも、私はこの仕事を選んだ。会社を率いることは苦しい戦いだ。10年以上が経った今も毎日のように、自分がまだすべてを理解していない気がしている。
でも、私は今もこの仕事をしている。あらゆる世代の人が、私たちと働きたいとやって来る。
私たちの学生は、自分の仕事が大好きだ。私たちと働くことが楽し過ぎて、もっと給料の高いチャンスを断り、腰を据えて会社の成長を手助けしてくれる人もいる。
私たちの職場はリーダーを育てる。多くのメンバーが、一緒に働き始めたときには持っていなかったスキルと自信を身につけて、自分で会社を立ち上げ、あるいは期待を良い意味で裏切る職場に採用される。
私たちが満足しているから、私たちの顧客も満足している。カネをかけて宣伝する必要もない。
すべては、私が重ねてきたとんでもない数の失敗のおかげだ。
このような環境を一晩のうちに作り出すコツなど知らない。しかし、ちょっとした障害にぶつかっても、私は圧倒的な成功につなげてきた。たった1日で45人もの従業員に見捨てられたあのときも、その後にリーダーとしてさまざまな失敗をしたときも、そのたびに私は新しいことを教わり、その積み重ねが現在のスチューデント・メイドをつくった。
45人が去って行ったあの夏のクラブハウス以降、私が苦労して学んだリーダーシップの教訓を伝えたい。私が正しかったことではなく、間違っていたことについての物語だ。私が散らかした混乱と、それをどのように掃除したかという物語だ。
これは、より良いリーダーになりたい人のための本だ。業界や職種や地位は関係ない。若い人も、そうではない人も、仕事がどんなに大変でも、あなたの働く環境が最悪だとしても、リーダーになりたいという人に読んでほしい。
私の物語を読んで、失敗することを ― たくさん失敗することを ― 恐れないようになってほしい。間違いが最良のレッスンになるときもある。何よりも、いちばん苦しいときも前に進み続けられるように、あなたの背中を押したい。逃げ出したいと思ったときも、前を向けるように。もしも45人が一度にあなたを見捨てようと決めたときでも。