しかしその量は半端ない。例えば、予算案は、一般会計、特別会計、政府関係機関、財政法第28条等による予算参考書類と全部で2000ページほどになる。厚さは20センチにもなる。

 筆者は役人時代そうした資料を各方面に「配付」する力仕事もやったことがあるが、それは大変だった。

 今から30年以上前の話だが、当時、すでにアメリカでは予算書がCD化されていたので、日本も早く電子化すべきと、役所の中で言ったこともあった。

 今なら、財務省サイトを通じてPDFをダウンロードすればいい。このほうが検索も簡単だし、使いやすい。

 印刷では時間がかかり効率が悪いうえに、コストも馬鹿にならない。印刷費用でみると衆参両院で年11億円以上だ。

 紙で「配付」をやめるには衆参それぞれの本会議で規則改正すればいいのだが、野党側に慎重論がある。なぜだろうか。

 野党は、国会戦術で、牛歩戦術に象徴されるように与党の採決をただ遅らせるために、審議に時間をかけることに意義があると思っているからではないかと、勘ぐりたくなる。

 例えば、首相や大臣などの不信任案を1本出す場合、文面などの校正や印刷、配布などで約2時間かかる。さらに議案の審議や討論と記名式採決などで最低でももう約2時間はかかる。

 長時間演説や牛歩で審議を長引かせ、時間切れを狙ってきた“惰性”が働いているように見える。

 国会のペーパーレス化は、日本維新の会が2017年3月に衆院議院運営委員会に提案し、その後、自民党、国民民主党、維新などの一部議員による超党派の議連もできた。

 自民党と公明党は党としてもペーパーレス化に前向きだが、維新以外の他の野党は消極的だ。

事前質問通告は時間の無駄使い
「拘束」時間は他国の10倍

 タブレット論議を契機に、国会のペーパーレス化という新しい問題の議論に加えて、長年、指摘されてきた事前質問通告や大臣の国会拘束の問題も議論を急ぐべきだ。

 国会審議を円滑に行うために、国会の慣習で、質問者が事前に質問の趣旨を通告している。質問通告は、政府答弁の準備をさせるためであり、国会法などに規定されているわけではない。

 現在は、与野党間ルールで「2日前昼」に通告することになっている。しかし、このルールは、有名無実になっており、酷い場合、質問が予定される日の当日の未明に通告がくることもある。