ウイルス病流行が宣言され、エボラ対策のための7つの委員会が設置された。9日には、保健省から12人が、JICA等が供与したレーザー体温計や防護服を持参し、赤道州のビコロに出発することになった。

 11日には、保健大臣からサーベイランス強化、検査の強化、診療体制の強化など10項目にわたるエボラ封じ込めのための国家活動計画が発表された。

 保健省を中心として、国連機関であるWHO、UNICEFやエボラ対策では経験豊富な国境なき医師団、JICAも含めた各国の援助機関が協力して、エボラ対策にまい進することになった。

前年の対策マニュアル作成が奏功
エボラの封じ込めに成功

 アフリカの開発途上国であるコンゴ民主共和国で、このような迅速な対応ができたのはなぜだろうか。過去に8回のエボラ流行の経験があったからだろうか。

国立国際医療研究センター国際医療協力局から現地に「JICAコンゴ民主共和国保健省次官付顧問」として派遣されている仲佐保医師
国立国際医療研究センター国際医療協力局から現地に「JICAコンゴ民主共和国保健省次官付顧問」として派遣されている仲佐保医師

 そこには、他の理由があった。

 西アフリカのエボラ流行のあと、エボラウイルス病の可能性のある国々では、各国で独自のエボラ対策を検討することになった。

 コンゴ民主共和国では、2016年にJICAの協力により、当時の保健省次官付顧問の池田憲昭専門家(国立国際医療研究センターからJICAの長期専門家として派遣)を中心として、保健省および国際機関の関係者を集めて、国家エボラ対策マニュアルを作成することになった。

 流行が宣言された後のサーベイランス強化、検査の強化、診療体制の強化など、各項目別の実行すべきことが具体的に記された実践的なマニュアルである。そして、このマニュアルが完成した2017年にコンゴ中央部のバズウエレ州でエボラの流行が起きる。

 幸い、エボラにかかった患者数は8人、死亡者は4人と大流行にはならなかった。この時に、前年に作成したばかりのマニュアルに沿って対策が実施され、効果的にエボラを封じ込めることができた。

 結果として、「実施訓練」ができたわけである。

 そのため、今回の赤道州での流行に際しても、保健大臣を中心とした保健省主導の対応が可能だったといえる。