『人事こそ最強の経営戦略』南和気さんの新刊『人事こそ最強の経営戦略』

 例えば、アクティブ・リスニングにおいての基本的な動作をご紹介しましょう。皆さんは部下の話を聞くとき、または皆さんの上司があなたの話を聞くとき、下記のことができているでしょうか。

1.メモを取っている
2.話の詳細について質問をしている
3. 最後に、話を要約して内容の理解が合っているか確認している

 いかがでしょう。部下が上司の話を聞くときにメモを取ることは多く見受けられますが、上司が部下の話を聞くときにちゃんとメモを取っているでしょうか。

 また、部下が1つのことを話しだすと、途端に上司が「それはだね、私の考えでは……」と話し始めていないでしょうか。「なるほど、もう少し詳しく教えてもらえますか?」と、その背景や、考え方を質問しているでしょうか。

 さらに、部下が話した後「はい、了解」と話を終えてしまっていないでしょうか。「今日話ししてくれたことは、こういうことで理解は合っていますか?」と確認しているでしょうか。

 簡単に思えるかもしれませんが、実際にはこれらのアクティブ・リスニングの基本動作をできていないケースが数多く見られます。これでは、せっかく1on1ミーティングを導入しても、効果を得ることは難しいのです。

人材育成の手法としての
1on1ミーティング

 1on1ミーティングは、これからの人事には欠かせない取り組みでもあります。

 現代の人材育成は、より「個別化」が求められています。かつての日本企業のように、「優秀な人材モデルやキャリア」を全員がじっくり目指すような人材育成ではなく、社員の可能性を最大限に広げて、「個性」を伸ばすような人材育成こそがイノベーションを可能とし、変化の時代に対応できる人材育成です。

 そのためには、個のさまざまな「経験」を「学び」に変化させるとともに、今起きている課題や悩みにタイムリーに対応できる1on1ミーティングは、有効に活用できれば非常に強力な人材育成の武器となるのではないでしょうか。