輸出減少のインパクトは
縮小していく

 バブル崩壊後の長期低迷期には、日本経済が需要不足であったことから、輸出が少しでも落ち込むと景気が簡単に後退した。しかし、今後は輸出減のインパクトは小さくなっていくだろう。

 まず、少子高齢化時代には、輸出産業が労働力を確保しにくいため、海外での現地生産に軸足を移していくだろうから、国内経済に占める輸出産業のウエート が下がり、輸出減少の経済へのインパクトも軽くなっていくと思われる。

 加えて輸出産業には「為替変動の影響を受けにくい体質に転換するため、売れるところで作る体制を作る」という動きが広がっており、アベノミクスによる円安でも「国内で作って輸出する」という動きは広がっていない。こうした動きと労働力不足が重なれば、日本の輸出額は減っていくことになる。

 日本経済における輸出産業の重要性が減っていけば、海外の景気に日本の景気が左右されにくくなっていくのは自然なことだ。

 もう1つ、もしも海外の不況により輸出が激減し、輸出産業の労働者が失業したとしても、失業者は内需型産業で容易に仕事を見つけることができるので、「所得が得られず消費できない」といった事態に陥るとは考えにくい。

 少子高齢化とは、経済に占める高齢者の比率が高まっていくということだ。高齢者の収入は、年金が主な収入源だから安定している。年金で不足する分は貯金を取り崩して生活費に充てる形になるが、その金額も安定していると考えていいだろう。したがって、高齢者の消費額も安定している。