さらに選抜の21世紀枠でも神奈川県は私立強豪校を県代表として推すことが多く、まだ一度も関東・東京地区の代表にすら選ばれたことがない。

 従って、新しい学校が甲子園に出場することは難しく、2001年以降18年間で新たに甲子園の土を踏むことができたのは、横浜隼人高と桐光学園の2校のみ。プロ野球におけるシーズン最多安打記録を持つ秋山翔吾(西武)など、近年プロに多くのOBを送り込んでいる横浜創学館高ですら甲子園には出場したことがない。同県民としては、半数以上の高校が甲子園に出場しているというのは想像を絶する数である。

 東京都でも東西合わせて262校の参加校のうち、甲子園に出たことがあるのは36校にすぎず、13.7%と低い。その他、愛知県が15.1%、千葉県が16.0%、埼玉県が17.1%と5都県が2割以下。

 概して参加校の多い都市部では低い比率となっており、甲子園に出場できるのは、ごく一部の野球に力を入れている特別な学校だけに近い。こうした地域では、参加校数が多少減っても強豪校が出場することが多いことから、初出場校は出にくいし、出場率には大きな変化が出ないことから、ランキングにはあまり変化が出ない。

大阪府は大阪桐蔭と履正社が独占しているのに
都市部の中でなぜ順位がいいのか?

 こうした中、意外なのが大阪府である。予選参加校は175校もあり、夏の大会に通常1代表しか出せない府県としては、神奈川県、愛知県に次いで多い。しかも、近年の代表校は大阪桐蔭高と履正社高が独占、それ以前はPL学園高、上宮高、近大付高、北陽高(現関大北陽高)などが占めていた。さらに遡ると、浪商(現大体大浪商高)や明星高、戦前では市岡中学(現市岡高)が強く、どの時代でも特定の強豪校が甲子園出場を独占していたようにみえる。また、神奈川県同様21世紀枠にも縁がなく、公立校が出場することも難しい。

 ところが大阪府では春夏合わせて1回しか出場したことがない高校が16校もあり、2001年以降で見ると関西創価高(2001年春)、上宮太子高(2001年夏)、金光大阪(2002年春)、大産大付高(2005年春)、東大阪大柏原高(2011年夏)、大阪偕星学園高(2015年夏)と着実に新しい高校が甲子園に出場し続けている。そのため甲子園出場校の総数は41校もあり、地方大会で150校以上参加する都道府県の中では北海道、兵庫県に次いで3番目に多い。出場率も23.4%で39位と、ギリギリ30位台に踏みとどまっている。

(姓氏研究家、野球史研究家 森岡 浩)