Photo by Hirobumi Senbongi
東芝が再建計画のスタートラインでつまずいている。中国市場の景気減速の影響で、新中期経営計画の初年度となる2018年度の業績予想を営業利益で400億円、純利益で500億円引き下げたのだ。
東芝は、今回の下方修正は子会社ののれん減損など一過性の要因によるものと強調するが、実際には、新中計の成長戦略が頓挫しかねない二つの「半導体リスク」が顕在化したといえる。
一つ目のリスクは本業の稼ぐ力の減退だ。中国市場とデータセンター向けの半導体需要が伸びず、半導体部門だけで18年11月時点の利益予想より210億円の営業減益となる見込みだ。
平田政善CFO(最高財務責任者)は18年度第3四半期決算の会見で「(半導体市場の軟化が)来年度以降も続く前提で事業を見直す。必要なら追加の構造改革などを今期中に終わらせる」と話した。
東芝は5年間で7000人の人員削減を実施中だが、リストラを深掘りしてでも新中計の利益目標を実現する決意を示したわけだ。