親会社であるSBGからは「ソフトバンク」のブランド使用権を購入済みで、資金の借り入れや賃借関係は18年9月までに解消したため、SBGへのキャッシュ流入は、一般株主に支払うのと同様の配当のみになったが、この配当がSBGへの「上納金」に当たる。

 ソフトバンクが年間85%という高い配当性向目標を掲げるのは、親会社との関係を維持して上納を続ける意思表明に他ならない。

 18年度の計画は連結当期純利益が4200億円で、SBGには約2250億円を配当として還元する予定。今後も高水準のFCFを生み出して高配当を続けることができるかどうかは、設備投資の支出に懸かってくるだろう。

 ボーダフォン買収当時は「つながりにくい」との批判が絶えず、12年につながりやすい周波数帯(900メガヘルツ帯)の割り当てを受けて大規模設備投資に乗り出したことで、14年度までの3年間で年5000億~7000億円超の巨額の負担に苦しんだ。ただ、15年度以降は投資が一巡。20年以降に本格化する第5世代移動通信システム(5G)の投資は効率的に進める予定で、今後も設備投資の水準は18年度の3800億円を維持していく計画だ(図2)。

携帯通信収入はもはや頭打ち
「非通信」に活路

 だが、これにはリスクもある。

 同社の通信ネットワークのコア(基幹系設備)を担ってきた中国・華為技術(ファーウェイ)の機器を排除する動きが世界的に加速。同社も5Gのコア設備はファーウェイ導入を見送る方向だが、既存設備を入れ替える必要があるかどうかは確認中で、設備コストの上昇リスクはくすぶる。

 収入面の課題も重い。携帯契約数は飽和しており、16年ごろから格安スマートフォンを販売するMVNO(仮想移動体通信事業者)の台頭で、3大キャリアのモバイル通信料収入は伸び悩んでいる(図3)。特にソフトバンクはモバイル通信料収入が減少しており、17年度の営業減益につながった。16年ごろからMVNOに対抗するため格安スマホの「ワイモバイル」を強化したのが響いた。

 さらに、19年4~6月期には、ドコモが2~4割の値下げを予定しており、一段と競争が激化する。