さらに、消費者の利益を守ることを目的として、「消費者契約法」という法律が2001年4月に施行されました。売主が事業者で、買主が消費者というマンションの売買契約に対しても適用されるので、不適正な販売方法や消費者の利益を不当に損なう契約事項があれば、消費者は契約を取り消すことができます。同時に、契約条項のうち消費者にとって不当なものはその契約条項自体が無効となり、建物の構造的な「性能面」だけではなく「契約面」においても購入者の保護が図られるようになりました。
そして、2003年7月に建築基準法が改正され、同年7月1日以降に着工された建物は、同法に基づくシックハウス対策に係る法令が適用されました。主に建材や家具などから発生する有害な化学物質が原因で起こると考えられているシックハウス症候群の予防・対策が行われています。具体的には、規制を受ける化学物質が明確化され、特定の化学物質を添加した建築材料の使用禁止や内装仕上げに使用するホルムアルデヒドの発散建築材料の面積制限、24時間換気システムの義務付けなどが行われました。
【理由2】現在のマンションと設備・仕様がほぼ同じであることが多い
2001年以降の完成物件は、2002~2003年と経つにつれ、外観フォルム、エントランスやロビーのデザイン、基本的な設備・仕様なども現在のマンションに近づいていきます。
例えば、「ダブルオートロック&キーレスエントリー」「カラーTVモニター付インターホン」「ウォークスルークローゼット」「シューズインクローゼット」「24時間宅配ロッカー」「暖房換気乾燥機付フルオートバス」「ビルトイン浄水器付シャワー水栓」「天井近くまでのハイサッシュ」「ペアガラス」「さや管ヘッダー方式給水・給湯管」「二重床・二重天井」「床暖房」「警備会社などに直結したセキュリティシステム」などです。
大がかりなリフォームが絶対必要ということもなく、リフォームにそれほど予算をかけずに住めることが特長です。
【理由3】「立地がよい場所に建っている」ことが多い
これは2001年以降の物件だけの話ではありませんが、2001年前後のマンションは、一流企業の社宅跡地などだったことも多く、立地にも恵まれています。
実はこの頃、各企業は長引く不景気により、自社で保有していた社宅や社員寮、スポーツ施設・グラウンドなどを相次いで手放しています。
当時、多くの企業が保有していた比較的駅近の優良な土地がマンションデベロッパーに売られたため、マンションが立地のよい場所に建てられることが多くなったのです。