“交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する懇談会”の資料によれば、大型貨物車(車両総重量8t以上または最大積載量5t以上)に装着が義務づけられたスピードリミッター(最高速度90km/h、03年9月1日以降製造)は事故抑止に対する効果があったという。つまり、大型貨物車が第一当事者となる死亡事故は平均40%減少。大型貨物車が制限速度90km/hで走行しても、120km/hで走るクルマとの速度差は30km/h。警察庁が指摘する40km/h差にはならない。

利用者の約3分の2が
「他路線・区間に拡大してほしい」と要望

 最高速度110km/hを試行した結果、速度違反の摘発件数が減った。その背景には、「パトカーによる取り締まりの強化が“抑止効果”を発揮した」(静岡県警)という分析がある。速度アップが事故につながらないよう、当局の努力が安全運転に結びついたといえる。また、高速道路利用者アンケートの結果、約80%が速度差に不安を感じていないとわかった。

 制限速度を110km/hに変更する前と後で、実際の走行速度がどう変化したかについては、警察庁の発表を見る限り、大きな変化はない。新東名の場合、試行前の実勢速度は約122km/hで、施行後は約123km/h。東北自動車道の場合、約113km/hが約112km/hになった。

 利用者の約3分の2が「規制速度引き上げを他路線・区間に拡大してほしい」と要望している。事故の発生状況、ユーザーの要望を背景に、警察庁は「他路線・区間への拡大を検討する」とまとめている。

 クルマの高速走行性能と安全性のアップ、運転支援技術の充実、ドライバーのマナー向上など、高速道路を安全に利用するための要因は多岐にわたる。120km/h区間が拡大するよう、ドライバーはいっそう安全運転を心がけよう。

(CAR and DRIVER編集部)