女の子はなるべく早く勉強をスタートしたほうが有利
「浴槽をつくる」作業とは、算数なら足し算、引き算、掛け算、割り算などの計算の数をこなすような学習に代表されます。たとえば、「5+8」の答えが「13」だというのは、基礎学習を積んだ子どもたちならば1秒もかからずに出てきます。
しかし、学習を始めたばかりの子どもたちの場合、5秒くらいかかることがあります。その差は4秒ですが、これが4桁の足し算になれば、1桁ごとに4秒の差が出て、最終的に16秒の違いとなります。たった1問を解くのに16秒も引き離されたら、まったく勝負になりません。
正答率についても、100%合っている子どもと、80%合っている子どもでは、いくつもの問題を重ねるうちにどんどん差が開いていきます。
つまり、こうした基本的な計算や、漢字問題、暗記事項などをいかに速く高い正答率で解けるようになるかというのは非常に大事なテーマであり、それをしっかりやるのが「浴槽をつくる」時期なのです。
あるいは、集中力をつけるということも、この時期の大事な作業です。最初から1時間集中するというのではなく、3分、5分、10分と少しずつ集中できる時間を延ばしていきます。
「土台期」は、男の子も女の子も基本的に「0歳から10歳」と考えています。ただし、いつまでも幼い男の子と違って、精神的な成長が早い女の子の場合、さらに細分化してもいいでしょう。
土台期の年代をまとめて捉えるのではなく、2年ごとくらいに扱うテーマを変えるなどしてもいいかもしれません。あるいは、「5歳前後」を一つの区切りとして、この頃から百ます計算などをやらせることで、学力がどんどん伸びます。
いずれにしても、女の子は「人を追い越す」という戦闘的なことが苦手なので、できるだけ早くスタートを切り、最初に差をつけて逃げ切ってしまう作戦が功を奏します。