本特集は2006年12月2日号特集「投信の罠」と2007年6月16日号特集「金融商品の罠」の続編に位置づけられる特集です。
これらの特集には、共通するメッセージがあります。
(1)手数料などコストの高い商品には手を出さないようにしよう。
(2)複雑でわかりにくい商品は警戒しよう。
(3)販売会社が売りたがる商品には飛びつかないようにしよう。
以上の3つです。
9月30日、本格施行の金融商品取引法で、それなりの改善が見られます。(1)手数料については、たとえば、ファンド・オブ・ファンズの信託報酬と組み入れるファンドの信託報酬を「二重取り」する点をぼやかしている(よくわからないように表記している)商品が少なからずあったのですが、これを明記しなければいけなくなりました。(2)(3)についても、ちゃんと説明義務を尽くすように求められるようになりました。
ですが、だからといって、安心はできません。金融商品の販売現場は法が求める形式を満たすのに大わらわ。説明資料や契約関連書類のボリュームは劇的に増えましたが、中身はそう変わっていません。
ここにきて明らかに増えているものがあります。金融商品のセミナーです。もともと、この手の販促セミナーはありましたが、その数が急増しています。
セミナーは、概ね同じようなパターンで進められます。まず、運用会社のスタッフが「投資環境」について話をします。「中国はまだまだ成長しますよ」といった話です。その後、販売会社のスタッフが出てきて、投信など商品の説明をする、というパターンです。運用会社が「魅力的ですよ」と煽って、その雰囲気の中で、販売会社がお客に商品を紹介するわけです。