約4000人規模の“日本人村”が消えた
むかしむかし、中国の上海に3つの“日本人村”がありました――。
といっても、1930年代の租界の話ではない。それは、対中投資が旺盛な2000年代、日系デベロッパーが開発した3つの駐在家族向けマンションの話だ。2000年代初頭から、日本企業の対中投資が第3次ブームを迎える中で、この3物件は日本人駐在員たちの生活の舞台となった。
虹橋空港の近くで大東建託が開発した「上海ガーデンプラザ」(564戸、一部一戸建てあり)、松下電工が開発した浦東エリアの「東櫻花苑」(482戸)、フジタが開発した虹橋開発区の「虹橋公寓」(272戸)がそれだ。これらは当時、日本語対応や日本人学校へのシャトルバス運行などの「日式管理サービス」を提供し、駐在員向け住宅の“御三家”として一世を風靡した。