完璧な質問を模索して
この人は本当に私たちの企業文化にフィットするだろうか。その疑問を払拭するような質問を思いつくまでは、誰かに採用を完全に任せることはできない気がした。面接の質問にまずまずの答えをしても、この人は私たちの文化にフィットしないだろうと、本能の声が聞こえるときもあった。しかし素晴らしいことに、エリンとアビーに意見を求めると、彼女たちの本能も同じことを訴えていた。
つまり、スチューデント・メイドのコア・バリューを決める過程で、私はザッポスと同じことをしていた。企業文化を言葉にすることによって、エリンとアビーに、私と同じように採用をするための指針を伝えていたのだ。
2人はスチューデント・メイドの価値観を理解して、体現していた。当然だろう。彼女たちと一緒にコア・バリューを考えたのだから。それならエリンとアビーも自分の本能を信じれば、私が面接をした場合と同じ判断を下せるのではないか。
そして、私の予想はほぼ正しかった。彼女たちを採用の責任者にして以来、10人中9人の確率で、スチューデント・メイドの代表として私が誇りに思うメンバーを迎えることになった。
その後も完璧な質問を模索し続けたが、ついに見つけることはできなかった。数年間、ありとあらゆることを試したが(おそらく1000種類以上はあっただろう)、私たちの企業文化にフィットするかどうかを100%の確率で予測できる方法は、いまだに見出せずにいる。
採用面接では、応募者は基本的に最善の振る舞いを見せる。彼らがどのような人間であるかを明らかにするような答えではなく、私たちが聞きたいであろう答えを選ぶ。誰だって、何とかして合格したいのだ。