この人に自宅の鍵を預けられるか

 現在も定型の質問は決めていない。自然な会話のように面接を進めようとしているが、応募者が緊張しているときや、できるだけ好印象を与えようとするときは特に難しい。面接ではまず、「あなたの話を聞かせてください」「これまでの人生について教えてください」と話しかけて、会話の流れは相手に委ねる。

 沈黙を埋めようと必死に話しているうちに、前の上司は嫌なヤツだったと言い出したり、自分は短気だと認める人もいる。応募者が自ら手の内を明かし、自分で自分を不合格にするのだから、私たちにとっては運のいい展開だ。ボロを出さない慎重な人もいるが、応募者が自ら話をするほうが、私たちの質問に答えるより、その人について多くを知ることができる。

 私たちは面接で、応募者ではなく自分に問いかけている。この人に安心して自宅の鍵を預けられるだろうか。この人と楽しく働けるだろうか。アンドリューのような最高のメンバーに似ているだろうか。それともコートニーのような最悪のメンバーと重なるところがあるだろうか。

 現在の採用チームはエリンやアビーと同じように、そして彼女たちの前に私がやっていたように、自分の本能と、企業文化に対する自分の直感的な理解を信じて、正しい方向を目指している。

 ただし、強調しておきたいことがある。この方法がうまくいくのは、面接をする担当者自身がスチューデント・メイドのチームを象徴する存在であり、10項目のコア・バリューのすべてを体現している場合だけだ。