結婚前は毎晩会食や飲み会でお酒も飲んでいたそうですが、今は小さい子どももいる生活の中で仕事が終わったら自宅に直帰。夕飯は、ごはん、おみそ汁、おかずというホッとするラインアップがほとんど。寒い時期には野菜をおいしく、かつ、たくさん食べられる鍋の頻度が高いといいます。鍋を囲んで食べることはコミュニケーションツールになるので認知症の予防にも良いと患者さんにすすめることも多いそうです。

なぜ患者には
おすすめの食品を教えないのか

 ご自身も気をつけているからこそ、エビデンスベースの情報提供だけに終わらずに現実的なアドバイスができるのだと思いますが、食品の具体名を挙げてすすめることはあまりしないようにしているそうです。

「今は『○○を食べましょう』と言うと、患者さんはそれしか食べなくなる傾向にあるので、聞かれない限り具体的に答えないようにしています。そもそも患者さんは、ボリュームオーバーなことが多い。それを普通の量にするだけでも十分」

 菅原さんが患者さんに対して重視しているのは、「体重の変化」。ですから、「まずは現状維持を目指しましょう」と話します。

 そして、見た目が及ぼすマインドセットも重要だと考えて、診察中に患者さんの現在の体重だけではなく、20代の時や結婚当初の体重を聞いて、「そうなんですか。そのときに戻ったらモテるんじゃないですか?すてきだろうなぁ」などとポジティブな声掛けもするそうです。そうすると患者さんもハッとした表情をして、次の診察時には体重が落ちていることもしばしば。ベルトのボタンが1個でもずれると中性脂肪などの値も下がり、薬をやめられる人も多いといいます。

 一方で、「痩せなさい」「太ったらダメだよ」というのではなく、その患者さんが普段何をしているのかを見るのが大事だと考えています。

「その患者さんにとって食べ歩きが大事な趣味ならやめなさいとは言いません。そうではなく、『歩くときには、体重の3倍の重さがひざや腰にかかるので、1kg痩せると3kg分楽になるんですよ』などと話すようにしています」