ヤマハ本社施設・コミュニケーションプラザの前で「YNF-01」の走行体験。その後に記念撮影ヤマハ発動機本社施設・コミュニケーションプラザの前で「YNF-01」の走行体験。その後に記念撮影 Photo by Kenji Momota

「高齢者向け」の常識を壊せ!
移動を楽しくする新たなる取り組み

 高齢者が運転免許を返納した後、普段の移動の足として活用されることが多いのが、ハンドル形電動車いすだ。スズキやホンダなど大手メーカー以外に、10社程度の中小メーカーが参入している分野である。

径の大きなタイヤと、作動量が大きいサスペンションで大きな段差も安定して乗り越えることが可能径の大きなタイヤと、作動量が大きいサスペンションで大きな段差も安定して乗り越えることが可能 Photo by Kenji Momota

 ここに、ヤマハ発動機(以下、ヤマハ)が一石を投じた。2018年9月に発表したコンセプトモデル「YNF-01」である。特徴は、四輪が自動車のように動く、独立型サスペンション。従来のハンドル形電動いすでは、サスペンションが作動量が少ないため、大きな段差を超えることが難しいが、「YNF-01」はまるでオフロード走行するSUVのような高い走破性を持つ。

 ただし、かなり斬新な外観デザインから「デザインスタディを優先したコンセプトモデルで、売る気はないのでは?」と思う人も多いだろう。ところが、ヤマハは本気で「YNF-01」の量産を考えている。