朝ドラに多い「自由に生きる」の推奨、それでも今作は一味違う理由【あんぱん第4回レビュー】『あんぱん』第4回より 写真提供:NHK

日本人の朝のはじまりに寄り添ってきた朝ドラこと連続テレビ小説。その歴史は1961年から64年間にも及びます。毎日、15分、泣いたり笑ったり憤ったり、ドラマの登場人物のエネルギーが朝ご飯のようになる。そんな朝ドラを毎週月から金曜までチェックし、当日の感想や情報をお届けします。朝ドラに関する著書を2冊上梓し、レビューを10年続けてきた著者による「見なくてもわかる、読んだらもっとドラマが見たくなる」そんな連載です。本日は、第4回(2025年4月3日放送)の「あんぱん」レビューです。(ライター 木俣 冬)

さみしさが増しに増して
最高潮に達する第4回

 第1回でのぶ(永瀬ゆずな)は、嵩(木村優来)の父・清(二宮和也)が亡くなっていると知ったときこうつぶやいた。

「お父ちゃんにもう会えんらあてどんな気持ちながやろ」

 第4回で、のぶはこの気持ちを実感することになる。第3回に続いてさみしさが増しに増して最高潮に達しようとしている。だが、それだけに大事な回なので、丁寧に振り返ろう。

 のぶの父・結太郎(加瀬亮)は商事会社に勤め、仕事で各地を飛び回っていた。嵩がこの町に来た日、ちょうど結太郎も久しぶりに家に帰ってきて、のぶを喜ばせた。だが喜ぶもつかの間、今度は海外出張(朝鮮の京城:当時の呼称)に出ると聞いて、のぶはさみしい気持ちになっていた。

「お父ちゃんがひと月出張に行くだけでこんなにさみしいのに、嵩はどうなってしまうがや」

 のぶは嵩の気持ちに思いをいたした。嵩は目下、父を失くし、母(松嶋菜々子)に捨てられ、弟・千尋(平山正剛)とは他人の関係を強いられ、学校ではいじめられ……。さみしさ全部乗せのような状態の嵩を「うちが守っちゃる」と誓ったのぶ。

 今日もまた学校で、いじめっ子たちが絵に描いたようなことを言ったりやったりして嵩に群がっているところを、「ハチキンおのぶ」らしく颯爽と助けに入る。はりきり過ぎて相手にケガをさせてしまう。のぶ自身も負傷した。