「自分の声」を操ることで
商談を有利に進められるか?

 ここで、素朴な疑問を感じる読者もいるだろう。

「自分の声」を適切に操ることで、「自分に有利に商談を進めることはできるのだろうか?」という疑問だ。

 先ほど紹介した研究結果の一部を再度確認してみよう。

 今回の研究結果から、

・人間は相手を上に見ると声が高くなり、相手を下に見ると声が低くなる。
・低い声は相手に対して説得力があって支配的な印象を与える。
・相手に安心感を与えるには、高い声の方がよい。
・男女問わずこの傾向はあるが、特に男性はこの傾向が出やすい。

 ということがわかった。

 もしあなたなら、「相手をうまく支配する」ために低い声で話すだろうか?

 それとも「相手に安心感を与え、その後の商談をスムーズにする」ために高い声で話すだろうか?

 これについては、話す声で「低い方」がよいと考えられる。

 2013年の別の研究でも、声は低い方がよい傾向があることがわかっているからだ。

 この研究では、声の低い社長ほど金持ちになりやすいということがわかった。このことは、低い声は相手との商談に限らず、他にも良い影響が出る可能性があることを示している。

 であれば、日常会話も商談も、低い声で話すことがいいかもしれない。

 もちろん相手や、時と場合によって声の高さを柔軟に使い分けることが大切なのは言うまでもない。その上で、今回紹介した論文を参考に、商談でも日頃の仕事でも、存分に結果を出していただきたい。