もっともfreeeでは、連載第3回でも述べたように、マネジャーではなく「ジャーマネ」という言葉をあえて使っている。マネジャーは一般的に広く使われる言葉だからこそ、人によってはマネジャーに期待する内容や範囲がまったく違ってくる。定義が曖昧なことで、コミュニケーションに齟齬が起きるとみんな働きづらいから、あえてジャーマネと呼んで独自に定義しているのだ。

 ジャーマネの発想自体は、組織が大きくなっていく過程で出てきた。人が増えて、お互い全員のことを知っているわけじゃない状況で、どうやってみんなの成長支援をしていけばいいのか。これを考える中で出てきたもので、「メンバーの成長を支援する仕組み」が出発点だ。

ブレイクスルーはリミッターを
取り払うことから起きる

 そもそもfreeeは、会計業務に関する経験値が高いメンバーが集まっていたから、今日まで成長できたわけじゃない。むしろ、「会計は門外漢」というメンバーをうまく活かしながら、それまでの業界の常識を塗り替えようとしてきた。結局のところ組織は、経験のある人がどんどん入ってくるから成長するわけではない。自分たちメンバーが成長するから、組織も成長するのだろう。

 だからこそ、「これをやったとしても、計算するとたかだかこれくらいのインパクトしか生み出せないから、やる意味ないんじゃない?」と早々にリミッターを設けてしまう発想はマズい。個人や組織の成長を考えるなら、マインドセットを変える必要がある。

「そんなのやってみないとわかんない」「当たり前だけどできてないことがこんなにいっぱいあるのに、なぜもう諦めるのか」といった問いかけを持ちながら、行動していく。

 こうしたリーダーの存在が、チームや組織のブレイクスルーにつながることは多い。それが僕の実感だ。