「子ども部屋についてのアンケート」(2015年野村不動産アーバンネット調べ) によれば、将来的に子ども部屋を用意したいと考えている人が77.1%に上っており、その適齢期は「小学校1年生」と考えている人が39.2%とダントツです。

 また「子どもに個室の部屋を与えるならいつ頃からがいいと思いますか?」(2015年E-LIFE調べ)という調査の個別回答を見ると、個室は、多くの家庭で子どもの自立を促すきっかけ、手段として期待されているのがわかります。これは私が現場でクライアントと話す中でも強く実感するところです。

 ただ、多くのご家庭で小学生の個室デビューは失敗しています。「個室」自体はただの空間なので、ハイ、と与えただけでそううまくはいかないのです。個室デビューのつまずきをなくす鍵は、ずばり「引き算」にあります。ではその「引き算」とは一体何か、具体的に見ていきましょう。

子どもに必要なのは「部屋」ではなく
「習慣×エリア」のセルフスペース

 最初に、「まだ親元から切り離さなくてもいい習慣」を個室から引き算しましょう。

 子どもにとって自分の部屋は大きなうれしいプレゼントですが、その一時的な気持ちの盛り上がりに任せて「あとは自分でちゃんとやりなさい」と本人にすべての管理を任せるのは酷というもの。完全個室デビューの前段階として、ある程度、親の目の届くところで「セルフスペースを使いこなす」経験を積ませてあげるのが効果的です。

「部屋」という単位で考えるのをやめ、子どもに必要な生活のスペースを「習慣(勉強/登校準備/遊ぶ/寝る/着替える)×エリア」で5つに分解してみましょう。小学校入学を機に始まるのが「勉強」「登校準備」の習慣。学校関連と思えばどちらも同じタイミングで始まる習慣ですが、エリアは分けて考えるのがポイントです。

 現在、多くのご家庭で「勉強エリア」は親御さんがサポートしやすいようリビングダイニングからスタートしています。ですから個室には「登校準備エリア(ランドセルや教科書、その他学用品の定位置)」だけを設ければよく、小さな棚が1~2個あれば充分という判断ができます。