だが、JBAはその後も問題児であり続けた。世界選手権を失敗させたにもかかわらず組織はそのまま温存。代表チームも強くなる気配はなく、その要因のひとつであるトップリーグが2つ併存する状況も改善されなかった。そして2014年11月、FIBAはついにJBAを加盟資格停止処分にした。男女すべての年代の代表チームの対外試合を禁止したのだ。

元Jリーグの川淵氏を招き
ようやくトップリーグ1本化

 この事態に慌てたJBAはやっと本気になって改革に乗り出す。それまでは協会理事に実業団チーム関係者が数多くいたため、プロ化が進まなかったが、翌2015年1月、改革のリーダーにJリーグを立ち上げた川淵三郎氏を招へい。しがらみなど気にせず剛腕を発揮する川淵氏にトップリーグの一本化を託した。また、これまでの理事は全員辞任。そして統一されたトップリーグ、Bリーグが設立されることになる。

 この動きを見てFIBAは資格停止処分は解除。だが、代表チームが国際レベルの実力を見せたわけではなく、開催国枠での出場は保留された。2019年夏に中国で行われる男子W杯に、アジア予選を勝ち抜いて出場を決めることが、その保留を解く最低条件とされたのだ。

 だが、このアジア予選でも苦闘が待っていた。日本代表はオーストラリア、フィリピン、台湾と同じグループに入ったが、初戦から4連敗。これ以上負けられない崖っぷちに追い込まれた。この土壇場で日本を救う選手が現れれた。アメリカの強豪ゴンザガ大学でプレーする八村塁と日本に帰化が認められたニック・ファジーカスが合流し、難敵オーストラリアに勝ったのだ。そして台湾にも勝ち、1次予選突破。その後、八村は大学に戻ったためプレーできなかったが、勢いに乗った日本代表は8連勝。W杯出場を決めた。

 この実績を作ったことで五輪開催国枠での出場がFIBAから認められたのだ。

 資格停止処分を受け、改革を断行した川淵氏はもちろん、それに従いBリーグ設立に尽力した関係者、クラブ、選手。日本代表ヘッドコーチに就任し、勝てるチームにしたアルゼンチン人のフリオ・ラマス氏やスタッフ、崖っぷちに追い込まれても諦めずに戦った選手たち。この4年間、多くの人が日本のバスケットボール再生のため力を尽くした。五輪出場決定は、その努力の積み重ねによって導き出されたものなのだ。

 今夏のW杯、そして来年の五輪には八村やNBAでプレーする渡邊雄太も加わるだろう。世界のトップとは、まだ差はあるが、数々の苦難を乗り越え上昇気流に乗った感があるのがバスケットボール日本代表。これからどんな戦いを見せてくれるか、注目したい。

(スポーツライター 相沢光一)