生活費は年間180万円ですから、公的年金の受け取りが開始される65歳まで7年間の取り崩し金額は1260万円。65歳時点での貯蓄額は1412万円になります。年金額の記載がありませんが、大学卒業から働き、また3年間の介護施設の勤務を入れれば、公的年金の被保険者期間は34~35年あると思われます。細かなデータがないため推測になりますが、公的年金を月10万円程度は受け取れると思われます。

 毎月10万円の支給、手取り額を8万円と仮定すれば、月間15万円の支出を維持した場合、65歳以降は月7万円、年間84万円の取り崩しが必要です。65歳時点の貯蓄額が1412万円ですから、貯蓄はMさんが81歳頃に底をつくことになります(退職金と失業給付については記載がなかったため考慮していません)。

 しかし、そこまで悲観する必要はありません。今回は、Mさんが働く期間も便宜上3年、お父様を在宅介護した場合は全く働かないと仮定して試算しました。つまり、記載のあるデータを使い、かなりの部分を推測で回答しています。言い換えれば、改善の余地は大いにあるということです。

 退職金があれば、その分、資産を取り崩して生活できる期間が延びますし、持ち家で借金はないのですから、支出さえ見直せば生活費をさらに抑えることができるはずです。在宅介護になったとしても、アルバイトなどで収入を得ることができれば、さらに見通しは明るくなります。

 生活、働き方を上手に考えれば、余裕があるとは言い切れませんが、53歳で早期退職したとしても、平均寿命を超えて、85歳程度まで生活していける見通しは立てられるでしょう。

 最後に、Mさんがお父様を思う気持ちは十分理解できますが、Mさん自身の生活があって、また健康でいられることが大前提です。お金の面を含め、ご自身を犠牲にするのではなく、あくまでも可能な範囲で最大限お父様の介護を行っていただきたいと思います。体に気をつけて頑張ってください。

(ファイナンシャルプランナー 深野康彦)