現在のEU発電事情では
BEVの大量普及は難しい

 今年の資源価格に関する予測は「昨年ほどは上昇しない」との見方が強い。そして太陽光発電設備のコストが下がった状況もあり、再生エネルギー発電のシェア上昇は期待されている。

 とはいえ、現在のEU発電事情ではBEV(バッテリー充電式電気自動車)の大量普及は難しいといえる。ドイツを例に挙げても、電力需要の基礎は全体の1%以下を担う水力と、それよりもやや多いシェアの原子力とバイオマス発電のほかは褐炭発電が担っている。日中に電力需要が増加すると、天然ガス発電と石炭発電が動員され、天気がいい日には太陽光、風の強い日には風力発電が活躍し、運がよければ電力需要ピーク時の20%程度をまかなうことができる。

 しかし、太陽光と風力は天候に左右される。安定的、計画的に太陽光発電や風力発電を運用するのは難しい。太陽光に依存して、大規模停電が発生すれば、国家的規模で損失を被りかねない。

 ある試算では、原発凍結を決めたドイツでも、再生可能エネルギーがBEVの充電需要を完全にまかなえるようになるのは、40年代後半だといわれている。

(報告/牧野茂雄、まとめ/CAR and DRIVER編集部)