まず、携帯電話は非常に高価で大きくて重かったので、マスコミの記者が事件現場に取材に行くときに持ち歩く程度の商品だった。それ以外には持ち歩く人はおらず、自動車に積んで、社長が移動中に通話をするのに使うくらいだったと思う。

 カメラとしても、音楽プレーヤーとしても、おそらく当時の高級な機器と同等の性能を今のスマホは持っているだろう。スマホで遊べるゲームは、当時のゲームよりはるかに質が高い。

 そして、当時は一般的な人はまだ使用できていなかったインターネットによって、今では新聞や本などに載っている情報が無料で得られるようになった。読者は拙稿を無料で読んでいるが、バブル当時であれば市販の雑誌に掲載された拙稿を読むために雑誌を購入する必要があったわけだ。

 当時はファックスや郵便を送る必要があったが、今ならメールで済むケースも多い。

 このように、技術の進歩によって良いものが安く手に入るようになったので、当時と比べて給料が増えていなくても、豊かに暮らせるようになっているのである。

道路も鉄道も増えタワマンも建った

 道路の建設は、建設された時点のGDPに公共投資として載るが、それ以降は載らない。したがって、バブルが崩壊してから巨額の公共投資が行われ、多くの道路が造られ、我々はそれらを自由に使えているが、それは上記のGDPの計算には入っていない。要するに、GDPが増えた分以上に我々は豊かに暮らしている、ということだ。

 鉄道網も整備された。従来であればバスや電車を乗り継がなければ行けなかったところへ、簡単に行けるようになった。

 そして、都心のタワーマンションに住んでいる人も多い。バブル期に最初のタワーマンションが売り出された時は、庶民には全く無縁のものであったが、その後、都心の地価が大幅に値下がりし、タワーマンションの建設技術の進歩もあって、今では庶民でも共働きであれば、手が届くかもしれないところまできている。