しかし、このままでは、また離職者が増えてしまい取り返しのつかない状況になってしまいます。

「欲求不満耐性」を
高めよう

 ドイツ生まれのユダヤ人哲学者であるフランツ・ローゼンツヴァイクは、人が欲求不満の事態にあるときに、不適切な反応(相手を攻撃するなど)に陥ることなく、耐えることのできる能力を「欲求不満耐性(フラストレーション・トレランス)」と提唱しています。

 これは、欲求不満の状態に置かれたとき、それを受け入れて耐え、状況を分析して合理的な解決を目指すことのできる力のことです。

 ビジネスシーンにおいて、「欲求不満耐性」を高めるためには、相手に対して(事例の場合だと部下Aさん)、共感的、受容的な態度で接し、合理的解決のためのサポートを行う必要があります。

 今回の事例の場合、いくつかの方法が考えられます。

 例えば、目標を達成させるための時期を見直すという「待つ態度」や、不満を「適切な表現で言葉にする」こと、そして柔軟な態度を身につけ「素直に人に助けを求める」などです。

 では、Kマネジャーが欲求不満耐性を高めた会話をするとどうなるのか、具体的に学んでいきましょう。

Kマネジャー 「入社して1年が経ちましたが、個人の目標をどのように意識しているか聞かせてもらえますか」
Aさん 「目標を立てても、それをどうやって達成するのかが落とし込めていないというのが正直な状況です…」