週刊ダイヤモンド2019年5月11日号の第一特集は「人事大激変! あなたの評価・給料が危ない」です。人材難に働き方改革関連法の対応で企業の人事部は大忙し。加えて、科学的手法による評価の導入など人事部には変革の波が押し寄せています。従来型の人事政策で成長してきた企業は、大いに頭を悩ませています。そんな実例を本誌では紹介していますが、その中からコンビニ業界のレポートをお届けします。(本記事は特集からの抜粋です)
小売業最強のビジネスモデルが、加盟店オーナーの「24時間営業の不可能宣言」で崩壊の危機に直面している。
24時間営業問題の背景には、コンビニエンスストアにおける深刻な人手不足がある。それもそのはずだ。リクルートジョブズの「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を見ると、コンビニバイトの時給は低いといわざるを得ない。
ここ数年間の3大都市圏の平均時給は、同圏の最低賃金にわずか100円程度を上乗せしただけの“最賃相当”で推移。低賃金労働の代表職種としてのポジションが定番化している(右図参照)。
にもかかわらず、仕事は激務だ。接客や商品補充などに加え、公共料金や通信販売の収納代行といったレジ周りの複雑な業務は増えるばかりだ。客数が減る深夜勤務でも、酔っ払い対応や防犯への身構えなど、緊張を強いられる。業務量の多さと責任の重さを考えれば、とても最賃レベルの時給でバイト要員は集まらない。
時給を決めるのは「独立経営者」であるオーナーだ。ただ、年々上昇する最低賃金に応じた時給引き上げや、バイトに対する社会保険料支払いの厳格化に直面し、じり貧となっているオーナーがいるのも事実である。