資格喪失後、残された家族の
健康保険の加入先に注意

 国民健康保険と後期高齢者医療制度は、亡くなったのが世帯主で、その家族も同じ制度に加入していた場合、いったん家族全員の保険証を返却し、世帯主を書き換えた新しい健康保険証を発行してもらう必要がある。二度手間にならないように、資格喪失の手続に行くときは、死亡者本人のものだけではなく、家族全員分の保険証も持参するようにしよう。

 亡くなったのが会社員の場合は、家族の健康保険が変更される。たとえば、夫の勤務先の健康保険に妻や子どもも扶養家族として加入していた場合、夫が死亡して資格喪失手続きをとると、同時に家族も健康保険を使えなくなる。そのままだと無保険になり、病気やケガをしたときに健康保険を利用できなくなる。専業主婦やパートで働く妻、その子どもは、会社員の夫が死亡したら、住所地のある市区町村で国民健康保険への加入手続きを忘れずに。

 反対に、75歳未満で国民健康保険に加入していた高齢の夫婦で、夫に先立たれて、妻がひとり残された場合、妻の年金収入が180万円未満なら、子どもの勤務先の健康保険に扶養家族として加入できる可能性がある。認められれば、親は保険料の負担なしで健康保険に加入できるようになるので、勤務先に相談してみよう。

死亡前に入院や手術をした場合
高額療養費の申告が必要な人も

 亡くなる前に入院や手術をして、病院や診療所に支払った医療費の自己負担額が高額になった人で、限度額適用認定証を利用しなかった場合は、「高額療養費」の申請も忘れずに。

 高額療養費は、1ヵ月に患者が支払う医療費の自己負担分に上限を設けたもの。この制度があるおかげで、医療費が高くなっても患者は一定額までしか支払わなくて済む。

 1ヵ月の限度額は、年齢や所得によって異なるが、たとえば、70歳未満で一般的な所得の人は【8万100円+(医療費-26万7000円)×1%】。医療費が100万円かかっても、約9万円が限度額になる。

 以前は、いったん医療機関の窓口で3割の30万円を支払ったあとで、健保組合に申請して、限度額との差額の21万円を払い戻す手続きが必要だった。だが、現在は所得区分を証明する限度額適用認定(健保組合で発行してもらえる)を医療機関の窓口に提示すれば、支払うのは限度額までになるため、高額療養費の還付手続きは不要になる。